みみの病気・治療について

「みみ」の病気について

耳の症状としては、痛み、痒み、腫れ、耳が詰まった感じ、水が入った感じ、聞こえにくい、耳鳴りがする、耳だれ(耳漏)がでる、めまいなど外から見える症状と見えない症状があります。耳は音を聞くだけでなく、身体のバランスをとる機能もありますので、耳に違和感がある、聞こえにくい、めまいが起こるなどの症状に気付いた場合は、耳鼻咽喉科を受診されることをお勧めします。めまいの原因として内耳の働きが関連していることも多く、重大な病気が原因となっていることも考えられますので、耳の自覚症状があまりなくても、気になられる方は、ご相談ください。

当院の治療方針

当院では、正確で十分な検査を行うために病院と同等の聴力検査室を設置しています。症状や治療方法をよりご理解いただくために、聴力検査などの結果を丁寧にご説明いたします。また、聴覚障害者の認定医として、身体障害の認定についてもご相談を受け付けておりますので、お気軽に受診してください。

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よくある「みみ」の病気について

耳垢栓塞
耳垢栓塞とは

耳垢(みみあか)は病気ではなく、ほうっておいても、自然に外に出るものですが、ときに耳垢がかたまりとなり、外耳道に栓を詰めたようになることがあります。これが耳垢栓塞です。
外耳炎や湿疹、耳真菌症などが原因になることもあります。

症状

指で耳をふさいだときのような難聴や、耳の中が詰まって圧迫されているような感じ(耳閉感)を覚えます。
栓塞が完全でなく、いくらかでもすき間があれば症状を自覚しないのがふつうですが、このような時に水泳や洗髪などをして耳の中に水が入ると、耳垢のかたまりが水を吸ってふくらみ、完全閉塞となって、急に症状があらわれることがあります。

治療方法

除去が唯一の方法です。吸引・鑷子(せつし)・異物鈎(こう)・耳用鉗子(かんし)などを用いて摘出します。
固まっているものに対しては、薬剤を点耳して軟らかくしてから摘出することもあります。

注意点

耳垢そのものは病気ではありません。
耳垢だけで問題になることもほとんどありません。
診療所で耳垢除去を行うのは耳垢のために耳内が十分に観察できないと、耳の病気があるかどうかを判断するということができないからです。
つまり、耳の病気が隠れているかもしれないのでその確認が必要ということです。
耳の中がきれいであることにこしたことはありませんが、耳垢をとってきれいにすることが目的ではありません。
耳の病気の有無を確認することが目的です。

耳そうじはホドホドに。
がんばりすぎて耳の穴や鼓膜に傷をつけてしまうかたがおられます。
また耳の穴に耳垢が全くなくてつるつるの方がおられますが、だいたいは耳のかゆみ・痛みを訴えることが多いようです。
『かゆいから耳をさわってしまうんです』とおっしゃる気持ちはわかりますが、すこし我慢が必要です。

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耳だれ

耳の中から液体状のものが流れ出る状態を言います。柔らかい耳垢を耳だれと間違うケースもありますが、多くの耳だれは外耳炎や中耳炎に由来します。特に中耳炎による耳だれは中耳(鼓膜の内側)から出ているので鼓膜が破れていることになり、注意が必要です。
もし、お子さんから、耳だれが出ているときはむやみに触らず、速やかに受診してください。

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外耳道異物
外耳道異物とは

読んで字の如く、耳の中に異物が入った状態の事を言います。
多くの場合は小さなお子さんが、おもちゃの鉄砲玉、小石、豆、ビーズなどを耳に入れてしまう事が主な原因です。
またその他に、昆虫が耳に飛び込んだり、何かのキッカケで砂や小石などが入ったりすることもあります。

症状

無自覚な状態から耳閉塞感(耳がふさがった感じ)、難聴、耳鳴り、反射性の咳(せき)、異物感までさまざまです。
外耳道はS字に曲がっているので、虫がここにはいると、簡単には出られず、もがいてあばれます。非常に鋭敏な外耳道の奥を引っかき回されるので、大変痛み、そのうえ鼓膜のすぐ近くで暴れるので、がさごそとやかましいものです。

治療方法

体温と同じ温度に温めた水で洗浄したり、顕微鏡下に先端がフックのように曲がったカギなどを使って、鼓膜を傷つけないように異物を外に引き出すように取り出したりします。あるいは鉗子でつかめるような異物であれば、これを用います。また細い吸引管で異物を吸い付けて、取り出す場合もあります。昆虫が入ってしまった場合はオリーブ油やアルコールなどを注入して昆虫を動かないようにしてから取り出します。

注意点

異物が入った時に無理に取ろうとするとかえって異物を奥に押し込んでしまう事がよくあります。
特に、昆虫や、ビー玉などは素人では取れません。
耳かきなどで取ろうとすると鼓膜を傷つけたり、あるいは外耳道炎や中耳炎の原因にもなりますので、すぐに診療を受けてください。
昆虫が入った場合は電灯を耳の穴に近づけると、明るい方へと這い出してくる事もあります。
また、アルコールを2倍ぐらいに薄めたもの(ウイスキーやブランデーでも良い)を耳の中に流し込めば、虫は酔っておぼれ死に、すぐ静かになって痛みもおさまります。その後、専門医に除去してもらってください。

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外耳道炎
外耳道炎とは

外耳道(耳の穴)の皮膚に感染、炎症を起こす病気の総称で、高温多湿になる夏に多くなる傾向があります。
過度な耳掃除や綿棒、耳かき、爪で傷つけたりこすったりすることにより外耳道皮膚の防御機構が破壊されてしまい、細菌感染を起こします。

症状

耳が詰まった感じがする、じっとしていても耳が痛む、耳を引っ張ったり、押さえたりすると痛む、ものを噛むときに痛む、分泌物が出るなどの症状があります。進行すると、耳の周囲の皮膚が赤くはれたり、口が開きにくくなる、リンパ節炎などが出現します。また、膿(うみ)がたまって膿瘍(のうよう)となり、つぶれると膿が出てきます。

治療方法

基本的に外耳道に消毒し軟膏などをもちいて処置を行います。時に膿瘍になっているときには切開排膿が必要なこともあります。また耳への治療だけでなく、かゆみがあると耳かきを助長するので、かゆみ止め(抗ヒスタミン剤)や鎮痛剤、抗生物質、その他の内服を行うことがあります。

注意点

外耳道炎の原因として一番多いのは過度な耳掃除です。
「耳掃除は気持ちよいのでつい癖になって……」という患者さんがたくさんいらっしゃいます。多少のかゆみは耳珠(じじゅ:耳の穴の前の出っ張り)を圧迫するようにしてやり過ごしましょう。

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中耳炎
・急性中耳炎
急性中耳炎とは

中耳(鼓膜の内側にある空間)に感染、炎症を起こす病気で、耳管の働きがまだ弱いお子様に多い傾向があります。
風邪等の感染症がおきた状態で、上咽頭(鼻の奥の部分)の炎症が、耳管(咽頭と中耳をつないでいる管)を介して中耳に波及する病態が考えられています。
細菌感染によるもの、ウイルス感染によるものなど、病態はさまざまです。

症状

先行する鼻症状に続いて、中耳腔内に膿汁が貯まり、鼓膜が発赤して腫れてくるのが典型的なパターンで、強い痛みを伴うことが多いものです。
場合によっては鼓膜が破れて外耳道に膿が出てくる場合もあります。

治療方法

基本的に抗生剤やステロイド剤の点耳を行い、冷却および、局所の消炎をはかります。鼓膜の発赤腫脹が強い場合には鼓膜切開(鼓膜の一部を切って、中耳内の膿を外に出してやるという治療)も選択されますが、当院では出来るだけ切開しない方法で治療しようと考えております。
また、耳への治療だけでなく、間接的・直接的な原因となっている鼻の処置を必要とすることが多いものです。
内服薬は、抗生物質の内服、場合によって消炎鎮痛剤、さらに、抗ヒスタミンや抗アレルギー剤などの鼻の治療薬を処方することもあります。

注意点

お子様の原因不明の発熱の際に、この急性中耳炎が見つかることもありますので、耳鼻科の受診をお勧めいたします。
鼻と耳の鼓膜の奥(中耳)は耳管という管でつながっています。この管を通って中耳に入り込んだ細菌が原因となって炎症が起こるのが急性中耳炎です。症状としては、耳が痛くなり水が入ったときのように詰まった感じがします。特にお子様はかぜをひくと中耳炎にかかりやすく、放置していると慢性中耳炎や滲出性中耳炎になり、聴力が低下する恐れもあります。


・滲出性中耳炎

鼓膜の内側(中耳)に液体がたまっている状態で、聞こえが悪く、耳が詰まった感じがします。

小学生以下の幼少児に多く、高齢者にも見られます。特に幼少児では中耳炎に引き続いて起こることも多く、難聴を訴えることが少ないため、気づきにくいこともあります。滲出性中耳炎を放置すると、一部には永続的な難聴に移行する例もあるため、早めに耳鼻咽喉科の受診をお勧めします。


・慢性中耳炎

鼓膜に穴があいていて、耳だれが出ます。聞こえも悪く、耳鳴やめまいを伴うこともあります。また、耳だれは繰り返すので、放置している方もいらっしゃいます。少しずつ難聴が進行していくことが多く、次に述べる真珠腫性中耳炎が隠れている場合もありますので、ぜひ受診してください。手術によって良くなることもありますので、ご相談の上、適切な病院をご紹介いたします。


・真珠腫性中耳炎

鼓膜の一部が奥に入り込むことで、進行すると強い炎症や骨破壊を生じ、耳だれ、難聴、めまい、顔面神経麻痺などを引き起こす恐れがあります。ゆっくりと進行するため、自覚症状の変化が少なく、進行していても気づきにくいこともあります。症状に応じて手術が必要となりますが、当院では、経験豊富で適切な病院をご紹介いたします。

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突発性難聴

突然、多くは片方の耳が聞こえにくくなる病気ですが、しばしばめまいを伴います。めまいが激しい場合は、難聴に気付かないこともあります。原因は明らかにされていません が、ストレスや疲労が一因となっている例が多いようです。早期に治療を開始しないと回復が困難になることがありますので、症状に気付かれましたら、すぐに受診してくださ い。

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耳鳴り

耳鳴りは、音の振動を神経の電気信号に変換する内耳に障害が起こった場合に起こることが多いです。その原因は、中耳炎や突発性難聴から加齢によるものまで、さまざまです。まずは原因を調べて、それに合った治療を行うことが重要です。耳鳴りは、なかなか治りにくい面もありますが、根気良く治療することで、楽になられる方もたくさんいらっしゃいます。気になる症状の方は、ご相談ください。

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めまい

めまいの中には、耳の異常が原因で起こるものが半数以上となります。その中には、耳の症状がない場合もありますので、めまいを起こしときは、ぜひ耳鼻科の受診をお勧めします。

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